赤煉瓦ネットワーク発行の「輪環」に、北海道江別市の煉瓦工場保存の記事がありましたのでご紹介します。市が競売に参加されると聞いていましたが、煉瓦工場の保存が決まったんですね。


北のえべつで!旧ヒダ煉瓦工場の建物保存が決まる!!


 N43赤煉瓦塾(塾長:水野信太郎)の地元である「煉瓦のまちえべつ」では、現存最後の煉瓦煙突付煉瓦造工場が、危機一髪で解体の運命から救われ、保存活用の方向に動き出しました。
 この程、市が取得した旧ヒダ煉瓦工場は、昭和26年8月から28年に増築されたもので、野幌駅南口から江別方向へ300m程のところにありJR線に面し電車からよく見えることから、江別らしい煉瓦の風景として多くの市民に愛されてきた赤煉瓦建築です。
 年代的にもそれ程古くなく、建築的観点から見ると残すだけの価値はほとんどありません。しかし、朽ちかけた姿そのもののイメージが、煉瓦のまちの歴史的文化的よりどころであり、庶民の心の故郷的な景観を発する建物なのです。 それゆえ、このまちの歴史的シンボルとして、残されたことの意義は大きいのです。
 建築技術的には、民間工業用の煉瓦造建築物のせいか、内部構造など道内で有名な函舘の金森倉庫や旭川の上川倉庫等と比べるといかにも貧弱で、屋根は痛みがひどく事後の利活用には相当の構造的な補強を要する厄介な赤煉瓦です。
 昨年春、事実上倒産した会社のこの工場が売却処分されるとの情報から保存のための活動が始まりました。まずは、その工場の敷地を借りて、地元の建築士会と「NPOやきもの21」のメンバーが一致協力して、この建物を残すための「市民への保存PRイベント」を昨年の夏に開催するなど、水野塾長も参加のもとオレゴン州ビールを飲みながら赤煉瓦の魅力を語るイベントとなりました。当日は、あいにくの大雨にもかかわらず200名を超える市民(市議を含む)の方が参加してくださいました。新聞各紙も応援してくれ、保存に向けての弾みがつきました。その後も保存に向けた要望書を出すなど、これまで広くNPOが市民や地元建築士会等に保存すべき価値を呼びかける中で活動してきた成果が実りました。
 今後は、ただ保存するのではなくて、積極的にまちづくりに生かす事が目的ですから、これからが本当に重要な活動の部分で、今はその入口に立ったばかりと言えるところです。その保存に向けて、市民を代表するNPOが市民レベルで十分に検討し、オーナーの市側に責任の持てる保存活用策を具体的に企画提案し、検討を重ねながら、活用が図られることを期待する状況です。(中間報告。)
 また、「N43赤煉瓦塾」も積極的に協力していくことになりそうです。(S.T)
 建物概要
  ・敷地面積 約4,614u
  ・廷床面積 約3,012u
  ・煉瓦造&一部RC造平屋建一部3階吹抜
    (長手一枚半積み、一部一枚積み)
  ・切妻屋根で亜鉛鉄板切板葺き
  ・煉瓦造煙突 2基 

赤煉瓦ネットワーク「輪環 第38号 2001年1月24日」より