赤煉瓦倶楽部舞鶴

産経新聞提供(平成5年5月19日付)

メソポタミアや前漢のれんが
赤れんが博物館に東京の収集家が寄贈


 舞鶴市が市制50周年記念事業として、今年11月にオープンする「赤れんが博物館」に、メソポタミア文明の「焼成れんが」と中国・前漢時代に、黄河流域の墓に使われた「空胴れんが」など8点が18日までに、東京在住のれんが・タイル研究や収集で知られる会社役員、山本正之氏(72)から寄贈された。
 焼成れんがは、約4千年前のもので、縦、横30センチ、厚さ5センチ。メソポタミア文明(紀元前2040年ごろ)のウル(現在のイラク南部の都市)第三王朝のアマル・スエン王が、建立したアブズ神殿の床に敷かれていた。表面と側面に楔(くさび)形文字の碑文が刻まれ、裏面にはれんがを接着するために使ったピチュメント(天然アスファルト)が付着している。
 中国の空胴れんがは、約2千百年前のもので、黄河流域の王侯貴族が、墳墓の地下部分の壁面に使用。絵や文様が刻まれ、題材は働く姿や建造物、風景などで、当時の社会生活や思想を知るうえで貴重な資料といわれる。縦20センチ、横126センチ。
 このほか、天平時代(8世紀)に寺院の内壁の飾りに使われ、鳳凰の図が右向きに描かれているれんがタイル。縦15センチ、横18センチ、厚さ5センチ。
 奈良県高取町の南法華寺にある同様のれんがタイルは、国の重文に指定されている。
 平安時代に寺院の内陣に安置された仏の教えを刻んだれんがタイル。江戸時代に、禅宗寺院の修行道場の床に使われ、後に茶道具の釜敷瓦に転用された織部敷瓦など。
 今回のメソポタミアと黄河流域のれんが寄贈で、世界四大文明のうち、エジプトを除く三大文明のれんがが展示される。
 同市は、収集されたれんがの中に、考古学や古美術学的に貴重なものが含まれている可能性が高く、展示に先立ち専門家に調査を依頼する。
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