赤煉瓦倶楽部・舞鶴

穴あき煉瓦の穴は何のため?


ジェラール煉瓦 ジェラール有孔煉瓦

 普通の煉瓦は中心部まで原土のつまった土のかたまりですが、珍しい煉瓦のひとつとして、ところどころに穴のあいているかわった種類のものもあります。この種の穴あき煉瓦は、有孔煉瓦と呼ばれることがあります。孔は穴と同じ意味ですが、一般的には「穴」よりも小さな「あな」を指すようです。日本で有孔煉瓦がつくられた事例として現在はっきりしている範囲では、横浜外国人居留地の山手で明治6年以前からフランス人アルフレッド・ジェラールが焼いたものが最初でしょう。ジェラールの有孔煉瓦は赤い色だけではなく黒い煉瓦もあります。このことからわかるように、彼が使った窯は日本の伝統的な瓦窯のようなものであった可能性があります。そうだとしますと必ずしも焼成温度は高くなく、火力も弱かったものと考えられます。このように火のあまり強くない窯で、煉瓦の芯までしっかりと焼こうとすると、煉瓦の肉厚は薄い方が都合が良いですね。また焼く前の段階の、煉瓦素地の乾燥にとっても有利なはずです。明治20年代にはいって日本煉瓦製造会社という最新設備をそなえた煉瓦工場が創立されますが、この会社では仕上専用の化粧煉瓦が普通煉瓦と は別につくられました。この磨き化粧煉瓦も有孔煉瓦でしたが、この孔の目的は先述の事項に加えて軽量化があったように思われます。以上紹介した有孔煉瓦は強度的にはあまり期待できませんが、後の時代になると鉄筋をいれて補強するための穴をもつ煉瓦が焼かれることもありました。補強コンクリートブロックのような発想ですね。


HOME BACK NEXT