赤煉瓦倶楽部・舞鶴

手づくり煉瓦と機械成形

 煉瓦を製造する手順で一番わかりやすいのは、粘土を四角い形にする工程でしょう。この成形も手仕事の時代から出発して、今では機械でできるようになりました。手で煉瓦をつくる方法を手抜成形法、機械による方法を機械成形法と呼びますが、できた2種類の煉瓦を見比べるとどちらの方法でつくられた煉瓦なのかわかります。手抜き成形の作業は、型枠と呼ばれる木製か金属製の道具とテーブル状の作業台を使って行われます。型枠は煉瓦の側面にあたる四方だけを囲んだ蓋も底もない単なる箱です。九州では四辺の枠に底をつけた”底あり”の型枠が用いられましたが、全国的には”底なし”の型枠が使われていました。型枠を作業台の上におき、団子状にまるめた原土を両手で持ち上げて型枠の中に叩き込みます。次に型枠の上に盛り上がった余分な土を取り除いて、撫で板という長さ30pほどの定規のような木片で煉瓦素地の表面を平らに均します。ですから手抜き成形された煉瓦の表面は平滑なのです。ところが機械成形煉瓦の表面には細かな皺が連続して現れます。成形機から長方形の断面をして押し出されてきた原土を、煉瓦の厚さにあわせてカットします。ピ アノ線(鋼の針金)で切断されるので素地の表面が縮緬状を呈するのです。台所で料理に使う卵切り器でカットしたゆで卵の黄身の表面をよく見ると、細かな皺になっているのと同じです。ワイヤーカットではなくプレス機による成形もありますが、この煉瓦の特徴は空気抜きの穴があったり、隅のほうにバリと呼ばれる継ぎ目の跡が残るのでプレス成形だということがわかります。


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