赤煉瓦倶楽部・舞鶴

工場のトレードマーク
煉化石道刻印 ホフマン窯刻印

 煉瓦をたくさん見ていきますと時折マークを発見することがあります。これは成形した直後の、まだ固まる前の素地に判子を押したものです。一般的に考えられるのは煉瓦工場のトレードマークなのですが、それ以外の役割の刻印もあるようです。煉瓦の刻印が見られるようになるのは江戸末期や明治時代の相当に早い時期からです。ただしこの頃の刻印は単なる丸印とか二重丸とか2本線とか3本線とかの、ほとんど意味不明のマークが大半でした。これでは会社の宣伝にはなりません。やがて明治10年前後になると、はっきり「何々煉瓦製造工場」などと、その煉瓦をつくった会社名を読めることもあります。またトレードマークは文字とは限らず、会社の社章である場合も少なくありません。ところがトレードマークとは別に、もう一つ別の刻印が押されている煉瓦もあるのです。それらはイ、ロ、ハであったり甲や乙であったり、番号であったりします。それで、今のところ初期の丸印や線などの符号と後の社印横の番号や符丁は、どちらも煉瓦工場の職人を示す暗号のようなものではないかと考えられています。これらのマークは一人あたり又はグループごとの一日の作 業量を確認したり、不良品の責任者をチェックするために使われたのでしょう。会社のトレードマークが押されるようになるのは見込生産の時代になってからです。それ以前は煉瓦の寸法が建物ごとに違いました。ですから完全な注文生産だったのですが、やがて工場であらかじめ大量にストックしておく時代になったのです。


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