丸山小取り壊しタイトル

三浜峠からの眺望 峠から三浜を望む

 平成10年12月12日、京都新聞に「懐かしい木造校舎サヨナラ」という見出しで大きく報じられた記事があった。
 今年3月に閉校した舞鶴市三浜、旧丸山小学校の校舎が取り壊されることになったというものであった。
 同小学校は明治9年、三浜の海蔵寺の一部を校舎にあて、三浜、小橋両地区の子弟教育を開始、三浜小学校としてスタートした。その後、人民共立小学校、尋常小学校、尋常高等小学校等に名称を変え、昭和22年には、舞鶴市立丸山小学校となっている。
 明治24年に現在の丸山の地に移り、現存の建物は、昭和17年に建てられた平家の部分と昭和25年建設の教室等の2階建、そして講堂と給食室、教員宿舎である。
 今年3月25日には、児童数の減少などから、大浦小学校へ統合されることになり、閉校式を開き、122年の歴史を閉じていた。
 この校舎は、市内では現存する唯一の木造校舎であり、昭和62年に東映映画「花園の迷宮」のロケが行われた場所であることからも珍しく貴重な存在であったのだろう。
 この取り壊しについては、各方面でよく検討されたものと信じている。しかしながら、「物の豊かさ」から「心を豊かにしたい」という方向へ価値観が多様化している時代に、地域が持つ自然や歴史などの資源を生かして個性あるまちづくりを進めなければ、わがまちへの愛着や誇りを育むことはできないと思う。
 今日、丸山小学校を訪れた。海から強い風がふきつけ、今にも雨が降ってきそうであった。校舎には「古いうつわに かがやく未来を」という古びた大きな看板が掲げられていた。
 当時子供達は、木のぬくもりを感じながら多感な時代を過ごし、大いなる夢をいだいていたのであろう。
 この木造校舎は、閉校した今も、その言葉の持つ役割を十分生かしていける建築物であると思う。

丸山小学校1 丸山小学校2

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