寄稿文「赤煉瓦建物の記録化」赤煉瓦倶楽部会員 井関純さん 

  あと少しで新しい世紀を迎える今、私たちが為すべきことは、日本の近代史と共に盛衰した赤煉瓦建物の記録化だと思います。赤煉瓦倶楽部の活動により、全国各地で由緒ある建物や構造物が陽の目を見ることができました。会員の運動により、所有者の好意を引き出し、改装保存や永久保存を実現した建物も少なくなく、まことに喜ばしい限りです。しかし、その一方で専門家が「値打ちがある」と太鼓判を押した名建築等の取り壊しも報じられます。残念ながら、現状の日本では、そうした傾向を止める手段がなく、文化財指定による生き残りもままならないようです。このままでは、せっかくの赤煉瓦建物が年々姿を消すのを、ただ手をこまねくしかありません。
 そこで、現存する赤煉瓦建物のデーターベース化を図るべきではないでしょうか。舞鶴においては、既にパンフレットで主要な建築等が構造や現状を含めて記録されています。
 これに倣って、各都府県の赤煉瓦建築等を輪環会員のご協力により、それぞれまとめてもらいましょう。その課程で、マスコミを利用し、より多くの情報提供をお願いすれば、埋もれた建築等の掘り起こしにつながります。ある程度まとまった段階で、インターネットに載せるなど一工夫するなら、若い人々の関心を刺激して、新たな活力が赤煉瓦保存運動へ加わるのも夢ではありません。

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