「赤煉瓦フォーラムin舞鶴」10月30日に開催
赤煉瓦フォーラムの写真

赤れんが博物館のオープン5周年(平成5.11.6)を記念し、当会主催で赤れんが博物館の共催により舞鶴市政記念館で、「今後の赤煉瓦を生かしたまちづくり」をメインテーマにフォーラムを開催しました。来賓の江守舞鶴市長からご挨拶をいただきました。横浜市、碧南市、洲本市、大阪市、日南市等赤煉瓦ネットワークの会員も多数駆けつけてくれ、舞鶴市民他約80名の参加を得て、熱心に各パネラーやアドバイザーの各地の報告やご意見に耳を傾け、会場からも自由な意見、要望等が出され有意義なフォーラムとなりました。以下概要を報告します。

事例発表
@「舞鶴赤煉瓦建造物群調査を終えて」
 岡田実成氏((財)日本ナショナルトラスト関西BOX)
 平成8年度の(財)日本ナショナルトラスト観光資源保護調査として、舞鶴市の赤煉瓦建物群の総合調査を実施した。その内容は、総数114件で、建築物60棟、工作物50棟、その他4件である。建設年代は、明治33〜37年に集中、大正期16件、昭和戦前15件、戦後5件であるとの報告がありました。
 更に、舞鶴の赤煉瓦建造物群の意義と特徴としては、質と量の豊かさ、市街地中枢部に群として残存、生活に密着及び群の要衝としての建設の歴史等があり、今後の保存活用の基本方向としては、赤煉瓦地域博物館(フィールドミュージアム)構想を図るべきだとし、赤煉瓦建造物のそれぞれの置かれた現状を尊重しつつ、暮らし、生産活動の中で地域(舞鶴市全体を位置づける)に息づく生きた地域博物館を目指す。との他いくつかの提言がありました。
A全国の赤煉瓦建物活用事例」
 立花恒平氏(赤煉瓦ネットワーク事務局長)
 講釈士・赤煉瓦亭琴魚(きんぎょ)の異名を持つ立花氏、赤煉瓦ネットワークの事務局長として、全国の赤煉瓦に縁のある都市を駆け回る忙しい日々を送っておられるが、北海道の江別に始まり、札幌ビール園、函館、喜多方、富岡、富山入善町、半田市の旧カブトビールなどウイットに富んだ語りで、赤煉瓦建物の活用事例を報告していただきました。
B「市民による(合)油津赤レンガ館設立」
 渡邊眞一郎氏(日南市・合名会社油津赤レンガ館共同代表社員)
日南市の油津という港町の活性化に向けまちづくり委員会を4年位前からスタートした。まちづくりの核となる建物として目を付けていた赤煉瓦の倉庫が、競売にかけられることになり、有志31名がそれを取得しようと集まり検討したが、資金がないため、出資金のいらない合名会社という組織を立ち上げ、銀行から全額2500万円を借り入れ無事土地建物共取得した。5年間だけはその物件を持ち続け、その間に良い利用方法が出るまで待つこととし、行政に掛け合い、または民間の方での利用を促すこととしている。現在、行政を含めて地域の青写真を書いていただくよう活動している。との報告がありました。
ちなみに日南市は、ポーツマス条約の締結に尽力した小村寿太郎の故郷の縁で、アメリカのポーツマス市と姉妹都市締結をしています。
C「旧鐘紡洲本工場の煉瓦造建築」
 水野信太郎氏(金沢学院大学助教授・赤れんが博物館顧問)
淡路島は洲本の、旧鐘紡工場の赤煉瓦建物が、数年前から再活用され脚光を浴びております。今年の1月に、新たに工場が取り壊しになるため、洲本市から依頼を受けられ煉瓦建物の調査をされました。
まず、れんがの傾向と対策編の講義があり、大きさ、色、肌合い及び印しについて新旧の煉瓦を対比して説明を受けました。洲本の煉瓦に関しては、特に紡績工場に特徴的な、鋸屋根や埃のじんとつ塵突の説明があり、他地区の塵突、豊田紡績の本社工場(現・産業技術記念館)、東洋レイヨンの大垣工場などをOHPで紹介していただきました。


パネルディスカッション
パネルディッスカッションの写真

事例発表をいただいた先生と、アドバイザーの田村明先生に参加いただき、水野先生のコーディネーターで、今後の赤煉瓦を生かしたまちづくりについて熱心に討論していただきました。
その概要は、
(岡田氏)プロセスが大事、舞鶴の煉瓦は日常的に一般に見られていない。見る機会を増やすことが大事だ。
(立花氏)自衛隊や建設省など国の機関が協力しているのは、すばらしい。
(田村氏)まち使いをしてもらいたい。市民が考える事が大事。
(一般参加者より)
・北吸の配水池の活用を図ってほしい。水族館にならないか。
・舞鶴はロシアのナホトカ、大連、ポーツマスと姉妹都市を結んでいる。そういう関連の活用ができないか。イギリスのパブなんか出来ないか。博物館は展示関係ばかりだが、本来の博物館としての工学系、民族学的な研究部門を充実する必要がある。
・舞鶴の煉瓦のPRが足りない。ドラマを作ってもらってテレビを通じて宣伝して、多くの人に舞鶴にきてほしい。
・舞鶴は煉瓦が群で残っていて、ユニークな使い方があると思う。どうして長浜や彦根のように客を呼び寄せるか、市民がどれだけ愛着を持っているかが大事だ。
・洲本は煉瓦建物がどんどん無くなっている。舞鶴は自衛隊や企業の物が多く、いつ無くなるか判らない。無くして初めて判る。
(水野氏)舞鶴には煉瓦建物がたくさんあるが、以外と関心が持たれていないのではないか。周辺の煉瓦を見る機会を多くとり、市民がより知る必要がある。また、今、再利用が判らなくても、とりあえず残しておく事が大事。舞鶴らしい洒落た事が出来ないか。市民が自慢したくなるような利用が必要だ。
(田村氏)自分自身が発見すること、勉強し見に行くこと。湯布院は開発から市民が自然を守るために立ち上がった。小樽の汚い運河を残したのは、この町が好きだという人達だ。長浜の黒壁の成功は、3セクで市が出資しているが、口を出さなかったのが良かった。地域はだれが作るか。それは、市民が中心とならなければならない。町は生きている。煉瓦一つを素材として生かすことが大事で、舞鶴は赤煉瓦がキーである。

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