赤煉瓦倶楽部・舞鶴

水野信太郎の赤煉瓦こばなしVol.11
シリーズ「煉瓦と類似品」
3.煉瓦とブロック


 これまで話題にしましたタイルや屋根瓦は、どちらも土を練って形にして乾かしてから焼いた文字通り「焼き物」の仲間でした。ところが今回の主役であるコンクリート・ブロックは、直接には焼かずに製造されます。セメントの粉に、適量の砂と砂利と水を混ぜて練り合わせたドロドロの生コン(この呼び名は素人向けで、プロはフレッシュ・コンクリートと言います)を、ブロックの型枠に流し込んだものを数週間ほど乾燥させて造られるのです。ですからブロックの形では焼かれません。
 確かにそうなのですがコンクリート・ブロックも実のところは、やっぱり一度焼いているのです。それはセメントをつくる時に、火を使わなければならないからです。近代的なセメントであるボートランド・セメントは、石灰の粉と粘土を混ぜ合わせた原料を焼成して再び粉砕すると出来上がります。やはり粘土を焼くことによって造られますから、セメントもコンクリート・ブロックも窯業製品の仲間に入ります。
 さて、このコンクリート・ブロックですが、成分の違いをひとまず無視しますと、煉瓦との共通点が浮かび上がります。それはタイルや屋根瓦とは決定的に違って、貼ったり葺(ふ)いたりするのではなく、下から上へ順に積み上げて使われると言う点です。煉瓦やコンクリート・ブロックや石材のように固まり状の素材を積んで建物をつくる方法を組積(そせき)式といいます。この手法で建てられたものは組積造です。西洋諸国が得意な技術です。
 このように考えてきますと煉瓦とブロックの違いは、単に材質だけということになってしまいそうです。煉瓦にもコンクリート・ブロックと同じような穴空きのものがありますし、鉄筋を埋め込んで補強する工夫もしています。結論です。煉瓦とブロックの違いは、実は大きさらしいのです。寸法が30cmを超えて40cmくらいになると、もう煉瓦という感じではなくて、ブロックという名前になるようです。
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